 介護保険の報酬改定について
桐生市役所 2012年6月24日 撮影
住みなれた地域で、静かに暮らしながら自分の意志で自分らしく人生を
全うしたい。これはそれ程ぜいたくな願いではないと考えています。
しかし、今ではこれが相当大変なことであることは知られています。
人間体力が衰えることには逆らえないので、食事や排泄等、自分の
事が自分で出来なくなった時、誰が世話をしてくれるのか？
このような高齢者の願いに社会全体で応えるため平成12年4月に
介護保険制度がスタートしました。その後3年ごとに改定された今日に
到っているのです。
この4月に改定される65歳以上の介護保険料は桐生市において1人
月額5,646円で現在（4,625円）より1,021円（22.1％）上がるという報道が
あり驚愕しました。（議会議決で正式に決定されました。）群馬県では
待機者減を目指すため今後3年間で特別養護老人ホームの定員増を
過去最多の1,235人とする計画をたてています。待機者の減少は
期待されますが、一方で介護給付費は当然増えていくことになります。
また今度も高齢化の進行で介護サービスの利用者が増え、給付費が
膨らみ続けると保険料の一層の引き上げが予測されることになります。
このように保険料が大幅に上がるとなれば、収入が年金だけの
高齢者にとっては「5,000円が負担の限界」との指摘が以前からあり、
公費投入の割合を増やすよう求める声が当然強まる事であると
考えます。これですんなりと市民の納得が得られるのでしょうか？
保険料の値上げには「納得」が必要です。「納得のルール」が確立
されないままに一方的な行政が行われてはならないと考えています。
全国平均の介護保険料の基準月額の推移（全国平均）は
平成12〜14年度・・・2,911円
平成15〜17年度・・・3,293円
平成18〜20年度・・・4,090円
平成21〜23年度・・・4,160円
平成24〜26年度・・・4,972円
となっています。そこで考えさせられるのは、保険料の値上げの事と
保険料が各自治体間に差があるということです。県内の自治体に
おいても保険料は上野村の6,500円と長野原町の3,000円という
3,500円もの差額があるのです。つまり自治体においてこのような
大きな差がでていることに疑問を抱かざるをえません。
桐生市に関しては、高齢化率27.75％（22年度）ひとり暮らし世帯
4,531人（21年度）でいずれも増加しつつあります。介護サービス
利用状況は高齢者人口に対しても要介護認定者率、介護サービス
利用者の1人当たりの給付費、いずれも県内12市中トップとなっていて
今後も介護サービス給付費の増加が見込まれるということです。
今後の介護保険については
��これ以上介護保険料は上げるべきではない。（公費と介護保険料の
割合5対5を崩す）5対5というのは介護報酬の負担割合、公費45％
介護保険料45％この割合のことで残りの10％が利用料です。このうち
公費割合を増やすという意味です。
��介護職員の賃金・待遇を改善する。（介護報酬の引き上げには
公費投入で行うべき）
��要介護の増加を食いとめるため、介護予防の重要性を理解して
いただくということ、等です。
�，鉢△亘寨莵颪�行う事が当然であると考えていますので実行を強く
国に要望すべきであると考えます。なぜならば、医療費と介護費の関係、
つまり介護にお金をつかう事は必ずしも負担増にならないと考えている
からなのです。介護サービスが遅れていると医療に高齢者の方々が
頼らざるを得ないので、結果的には割高になります。ある程度しっかり
とした介護基盤を整備しないと無駄な医療費がかかってしまうという
ことがあるからです。しかし、公費投入といっても増大する65歳以上
とくに75歳以上の高齢者数を思えば限界があります。
今後、大いに議論をする必要は当然でてきます。前例のない世界なので
政治の役割がますます重くなってくると考えます。
そしていかなる制度であっても皆が制度を自律的に大切に
使わなければ制度は崩壊してしまいます。財源を節約して使うという
私達の自覚が最も重要であると考えます。
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