はい! 河原井 始です。

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2012年5月8日

社会保障制度について

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社会保障制度について

 

 桐生市総合福祉センター 2012年6月24日 撮影

 

 年金、医療など社会保障制度は人々に安心を与え、経済を着実に

発展させるための基盤となると考えています。社会保障のほころびが

大きくなると人々は将来の不安から消費を手控え、経済成長が

阻害されてきます。また税金や保険料の未納が増え、社会はさらに

不安定になると考えます。今国も同じですけれども、桐生市は

こうした悪循環に陥りつつあるのではないかと考えています。

社会保障制度の立て直しは緊急の課題であります。

 

 幕末維新期に、日本を訪れた欧米人の多くの人々が印象づけられた

のが当時の日本人の持つ開放性、親和性、礼節であったと言われて

います。自分たちとは異質の文明にも開放的で新鮮な興味を抱き、

倫理観があって親切で礼儀正しい、これが当時多くの外国人が抱いた

日本人のイメージであったのです。明治時代に世界に胸を張って

日本の美徳を説きました新渡戸稲造は英語で記した「武士道」に

おいて日本人に備わった善徳や品性は正義の道理を絶対命題として、

他者へのいたわりを至高の徳とする儒教の教えを源泉としています。

また物欲でなく、倫理的観点からの自己の名誉心こそが日本の発展の

原動力であると指摘をしています。日本が20世紀において非西洋社会で

初めて自由な市場経済的発展を遂げたことの背景にはこのような

思想的な伝統の裏づけがあったと考えます。それが今の日本には

残念ながら薄らいでしまっているのではないかと思います。

 

 国に将来ビジョンについてのコンセンサスがなく、そこに向かって

整合性のとれた総合政策を粛々と進める体制が政財官に整って

いないからだと考えています。そのため国全体が自信喪失状態に

陥っていて、政治、経済、社会の制度の根本的な改革が求めら

れていると考えます。またリーマンショック以来デフレから脱却できずに

経済活動が停滞し続けています。気がつきますと日本の名目的国内

総生産は過去10年以上にわたって、ほとんど増えていません。

企業の国際競争力も低下する一方です。

 

 国民の間には、将来生活水準が下がっていき、社会保障制度も

立ち行かなくなるのではという不安が蔓延し、国全体が閉塞感に

包まれているように感じます。日本社会の閉塞感の背後には、雇用の

悪化と将来不安の高まりがあります。雇用の安定なしには生活設計が

立てられず、消費は活発化しません。また正規と非社員の格差是正を

進めるとともに、人手不足の医療、介護分野を成長産業に育て、

雇用創出に取り組むべきであると考えます。年金、医療を持続可能な

制度にするにはどうしたらいいのか?

これが今我々に突きつけられている最大の課題です。

 

 桐生市におきましては、高齢化率の高さで示されているとおり

老齢人口が他市に比べ多く、給付やサービスを受給する割合も

年々増加しております。ちなみに平成21年度では、介護保険給付費が

約94億5,800万円国民健康保険給付費が約95億円、それから

生活保護にかかわる扶助費が約16億6,600万円となり今後も

この増加傾向があると思われます。こうした状況の中で市民の

給付やサービスに対する要望や状況に必要な負担がどこまで

受け入れられるのか考えさせられます。