はい! 河原井 始です。

最新の活動報告

 

2012年6月9日

人口減少社会

〜少子化対策について〜

→Home    →プロフィール    →活動内容    →リンク集    


人口減少社会 〜少子化対策について〜

 

 

 水道山から見た桐生市 2012年6月24日 撮影

 

 人口減と高齢化が進む大きな要因は、長寿化と少子化が同時に進行

しているということです。人々が皆健康で長生きすることはすばらしい

ことですが、少子化は一刻も早く歯止めをかけるべきであると考えて

います。どこかで出生率の低下に歯どめがかからない限り、日本の

人口は減少を続けます。仮に出生率が1であれば、次世代ごとに人口は

半減していきます。この日本の少産化、少子化、高齢化、人口減少

といった負のスパイラルをとめるためには、少産化にどこかでブレーキが

かからなくてはなりません。人口の減少に歯どめをかけるには、日本の

出生率が人口の置換水準、つまり2.08を超えることが必要とされる

わけです。ただし、ヨーロッパ社会が既に行ってきたように、

生産年齢人口の減少を外国人労働者によって補うことができれば当面

労働人口の問題は回避できます。幸いなことに、日本は周辺に人口の

多い中国などを抱えています。受け入れの社会制度さえしっかり

していれば、有力な人口減の対応策となります。しかし、この移民の

受け入れについて国民的な合意は全くできていません。そうなると、

やはり人口の置換水準まで出生率を回復させなければなりません。

言うまでもありませんが、昔のように産めよ増やせよといった政策的な

強制ができるわけではありません。さらに子供を産むか産まないかは

個人の自由によります。子供を持たない夫婦や女性に非難が集まる

ようなことになってはならないと考えています。しかし、人口が大きく

減少する社会が健全な社会とは言えないはずです。合計特殊出生率は

やはり社会の健全度を示す1つの指標でもあります。もし子供を産もうと

する意思があるのに、諸条件が整わずに断念するケースがあるとすれば

やはりそれを解消するのが政治の仕事と考えます。

 

 なぜ少子化対策がうまくいかないのでしょうか。欧米に比べ国や

地方自治体の取り組みが後手に回っているとの指摘があります。

出産や育児などの家庭関連費と教育費を合わせた予算額は他の

先進諸国と比べてみますと最低クラスになっています。少子対策に

決めてはないと言われていますけど、経済立国にふさわしい担い手が

あらわれてもおかしくはありません。スウェーデンやフランスなどのように

政治はもちろん、企業も社会を構成する一員として出産、育児を応援し

教育支援費の拠出、子育てを終えた女性の雇用、社会、保険サービスの

充実などの面でもっと積極的に取り組むべきであると考えます。

 

 フランス並みの社会保障を充実させれば、出生率が回復

するのでしょうか。ちなみにフランスの公的支援費は日本の対策費の

約3倍に相当しています。でも社会保障の充実だけで十分でしょうか。

それがあり得ないのはフランス並みの政策をしても出生率の

伸びない国が多いことで明らかになっています。根本的に違うのは

カップルの関係性にあると考えています。フランスは伝統的に男女の

仲がよく、いわゆるフェミニズムも女が男を糾弾したり、女が男化する

という形はとらずに、意識の高い男たちが女たちと連帯して戦うことが

多いし、政治的に敵対するシーンであっても男女の色っぽい関係が

成り立つ余裕があるのではと思います。つまりそれがフランス国民性

ではないでしょうか。

 

 さらにフランスはカロリーベースでの食料自給率が2002年以来130%を

超えていてカナダやアメリカよりも高くなっています。気候に恵まれた

農業国で、パンとワインの国であるフランスに住む人はともにテーブルを

囲んで美食を楽しみ、そして恋をします。命を生み出す親たちは子に

約束された食料の豊かさを本能的にはかっているのかもしれません。

日本の食料自給率は40%を割っています。フランスでは、パリ郊外にも

青々とした麦畑が広がっています。この風景こそが人々の心の深い

ところで性と生(ライフ)と愛(ラブ)に影響を与えていると考えています。

 

 世界でフランスは最も多くの観光客が訪れる国です。世界じゅうから

観光客がやってきて、歴史や文化や自然を愛し、料理とワインを

楽しみます。食料自給率が飛び抜けて高く、観光客にふんだんに

美食を提供して満足させる、つまり新しい命を生み出そうとする人々を

インスパイアしていると考えます。社会保障の充実はもちろん必要で

ありますが、環境づくりとともに行うことが大切であると考えます。