はい! 河原井 始です。

最新の活動報告

 

2012年6月22日

人口減少社会

〜コンパクトシティの

推進と地域力の向上〜

→Home    →プロフィール    →活動内容    →リンク集    


人口減少社会 〜コンパクトシティの推進と地域力の向上〜

 

 

 中心市街 2012年6月24日 撮影

 

 国の総人口が頭打ちから減少に転じる中、移動によって人口が増加

する地域の裏側には人口が流出する地域があります。出生数で

死亡数を下回るだけでなく、人口流出が進む地域では経済社会の

運営がより厳しくなる懸念があります。もちろん各地域は人口を

増やそうとしています。例えば定年を迎える団塊世代を迎え入れようと、

数多くの自治体が盛んに勧誘をし続けています。企業誘致による

Uターン、Iターンによる消費・建設需要の創出や保有する技能や

人脈による地方経済の活性化などに期待を寄せています。しかし、

そうしたもくろみの実現は非常に難しいと考えています。

 

 なぜ人々は都市部に集まり、団塊世代の地方移住や人口の流入は

余り期待できないでしょうか。人々が集まっている地域には多様な

雇用機会があり、便利な商業施設や充実した文化施設があり、教育は

もとより、安心できる医療供給体制が整備されています。人々が集まる

地域には、そうでない地域と比べて規模の経済や集積の経済があり、

生産性や生活水準の高さが維持されています。経済、社会インフラが

整い、豊かで楽しい消費機会が多い地域に人々は集まって住みます。

 

 これまで国でも地方でも経済発展と人口増加に伴って、広域化

郊外化を進めてきました。住民がいるとの理由でどんな場所であっても

道路や下水道を延ばし続ければ公共投資の効率性は低下し、

社会資本の維持コストが莫大になってきます。人口減少、高齢化を

迎えた地域ではコスト低減と生産性向上のために人や物を分散

させるのではなく集積させる必要があると考えています。

その具体的戦略は地域によっておのずと異なるはずであります。

人口減少に歯止めがかけられない理由は、それ自体が横並びで

どの地域も似たようなことをしている点にあると考えます。

 

 それでは、どうすればいいのだろうか?それには1つは地域力の

向上が鍵を握っていると考えています。今後人口減少時代に起こり

得る地域のさまざまな課題に対して、住民によるコスト負担だけでは

対処できないと考えます。例えば高齢者の孤独死が多かったり、

少年犯罪が頻繁に起こる地域では経済が活性化しているエリアは

ほとんど存在しません。地域力の向上なくしては、地域の諸課題には

対応できず、地域経済の活性化にもつながらないし、その地域も

発展しないと考えています。それでは、その地域力とは何であるか。

地域力とは、地域における多様な組織の住民が地域の公共的、

社会的問題に気づき、自主的に協働しながら課題を解決したり

地域の価値を創出したりするきずなのことを指すと言われています。

ソーシャルキャピタル(社会関係資本のこと)に関して言われているのは

地域力を組織化力、自治力、協働力、変革力の4つの複合能力

位置づけられています。具体的には、隣近所の声のかけ合い、

子育て世代の母親同志の連絡網、友人、知人との職場外での

つき合いなど、日常生活における見えないきずなのまとまりとなります。

最近では、日常生活におけるきずなの目に見えないものを重要な

資本とみなしその価値を推しはかる調査研究が進んでいます。

まずは地域力の向上です。1人1人ができることから始めようでは

ありませんか!

 

 今、まさに地方の時代と言われています。地方分権とは地方が自由な

発想で知恵を絞り、みずからの権限で行動できる仕組みの構築で

あります。もちろん議会、行政には高度の立案能力と結果責任が

求められていることは言うまでもありません。