 若者よ、消防団へ
2013年3月18日 月曜日 桐生タイムス社
11日未明、桐生市菱町一丁目と栃木県足利市をまたぐ白葉峠で火災が
発生し、山林約3万平方�辰鮠銅困靴泙靴拭�この日の桐生タイムスは、
群馬・栃木両県の防災ヘリが空から消火活動をし、桐生市消防本部は
車両15台と職員58人を出動させ、桐生市消防団員65人も消火活動に
あたった、と伝えています。
みなさんは「消防団員」の現状をご存知でしょうか。
まちなかから商店がどんどんと消え、人口は減少し、高齢化が進んでいる
ことは今さら紹介するまでもありませんが、消防団員も年々減少し、
その活動は「役割」に支障をきたす寸前まできているのです。
桐生市には26の消防分団があります（旧桐生市に18、新里と黒保根に
各4）。分団の定数はそれぞれ、分団長以下20人または30人です。
しかし、多くが定数ぎりぎりで、とくに旧市街地にある分団は
ほとんどが定数を満たしていません。
1990年、全国の消防団員は100万人の大台を割りました。95年1月17日に
発生した阪神・淡路大震災で、その必要性が再認識されたものの、2005年
には90万8043人に、09年には88万5394人になってしまいました。
そして2年前の3月11日の東日本大震災。人命救助で駆け回った消防団員や
その関係者254人が死亡または行方不明となりました。
消防団は「消防組織法に基づいて市町村に設置される消防機関」です。
団員は消防職員と違って、火災や災害発生時に自宅や職場から現場に
駆けつけ、消火・救助活動を行う「非常勤特別職の地方公務員」位置づけ
られています。
1人当たり年間数万円程度の報酬があり、桐生市の場合は1回の出勤で
1千円程度の手当てが出ます。もちろんこれらの報酬は「本来の自分の
仕事よりも優先する、緊急時に対応する義務に見合う金額」ではありません。
もとより、報酬は業務に釣り合うために設けられたわけではありません。
「地域社会の安心・安全は自分たちで守る」という意識に支えられているのが
消防団制度なのです。
ただ、そうと分かっていても「自分は入団できない。誰か他の人に
参加してもらいたい」と多くの人は考えているようです。独特の階級構造や
体質に対する忌避意識、年齢が離れている世代とのなじみにくさなども
あって、入りづらいのかもしれません。
でも、このままいくと消防団は消滅します。
昭和40年代（1960年代後半）までは多くの地域で、学生を除く若者の
消防団加入が慣例化していました。地域社会に若者がデビューする
登竜門でもあったのです。しかし、若者の多くが大学や専門学校などに
進むようになり、消防団に入る若者は減りました。
総務省消防庁は2002年11月25日付で「地方公共団体職員による
消防団への入団促進について」という通知を各都道府県に送付しました。
その後も毎年のように「消防団員確保のさらなる推進」といった通知を
出しています。
消防団員は、地元で暮らす人が入るのがまず第一です。が、その確保が
難しい現状では「学生」や「若手公務員」にも加入を求めざるをえません。
たとえ全部の活動に携われなくても。「夜間や休日だけに限った参加」
でもいいのです。学生、若手公務員の方は一度、消防団について、
真剣に考えてもらえませんか。民と官とが、協力しながら街づくりを
していく日が桐生に来ることを期待しています。
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